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山田風太郎『明治断頭台』

明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉 (ちくま文庫)作者: 山田風太郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1997/08/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (33件) を見る実はいまごろ読みました。いや、これは凄いです。 時は明治初…

ジョイス・キャロル・オーツ(訳:大嶌双恵)『フリーキー・グリーンアイ』

フリーキー・グリーンアイ作者: ジョイス・キャロルオーツ,Joyce Carol Oates,大嶌双恵出版社/メーカー: ソニーマガジンズ発売日: 2005/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るシアトルの高級住宅地に暮らすピアソン一家。元プロフットボール…

P・シニアック(訳:藤田宜永)『ウサギ料理は殺しの味』

舞台はフランスの田舎町。とあるレストランのメニューに「狩人風ウサギ料理」が載った夜、必ず若い女が殺される。犠牲者の傍らにはいつも一本の扇が。 たいへん奇妙な作品。なんといえばいいのか、DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION [DVD…

山田風太郎『外道忍法帖』

外道忍法帖―忍法帖シリーズ〈2〉 (河出文庫)作者: 山田風太郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/04/01メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る313年の命を持つという15人の童女。彼女たちの体内にある15個の鈴があれば、法…

海堂尊『チーム・バチスタの栄光』

チーム・バチスタの栄光作者: 海堂尊出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2006/02/04メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 152回この商品を含むブログ (562件) を見る第4回『このミステリーがすごい!』大賞、大賞受賞作。 読んだのちょっと前なんですが、書き…

諸星大二郎『トゥルーデおばさん 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス』

トゥルーデおばさん作者: 諸星大二郎出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 2006/02/23メディア: コミック購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (70件) を見る「ネムキ」掲載の「グリム童話」諸星大二郎風アレンジ短編集。表題作の「トゥルーデおば…

アーヴィン・ウェルシュ(訳:池田真紀子)『グルー』

グルー作者: アーヴィンウェルシュ,Irvine Welsh,池田真紀子出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ発売日: 2006/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (6件) を見る『トレインスポッティング』ISBN:4042785018 の…

今年印象に残った10冊

告白作者: 町田康出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/03/25メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 191回この商品を含むブログ (275件) を見る 魂震える傑作。読むべし。 一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)作者: シオドアスタージョン,Theodore Sturgeo…

回廊 vol.06(感想その2)

http://magazine.kairou.com/ 秋山真琴さん(id:sinden)が編集長を務めるオンライン文芸誌。今号の特集は「実験小説」。各作品タイトルはHTML版にリンクしてあります。 読切短編小説 桂たたら「緑の抵抗値」 複数の出会いと会話があって、アクションがあっ…

鈴木剛介『自殺同盟軍』 Amazon

柔道、少林寺拳法と続けてきた肉体派の主人公が実は自傷癖の持ち主で、旧友のジョーンズ博士(あだ名)に言われてプロボクサー→老人ホームに勤務、という筆者自身の体験をなぞる前半パートは面白いんですが、ネットで自殺志願者を募ってという後半パートに入…

回廊 vol.06

http://magazine.kairou.com/ 秋山真琴さん(id:sinden)が編集長を務めるオンライン文芸誌。今号の特集は「実験小説」。各作品タイトルはHTML版にリンクしてあります。 特集:実験小説 遥彼方「TV shows......」 テレビに映る……を……が眺める。わかるかとい…

アーシュラ・K・ル=グウィン(訳:谷垣暁美)『なつかしく謎めいて』 Amazon

飛行場の固い椅子に腰かけて飛行機(Plane)を待つ女性が偶然発見した、異なる次元(Plane)への移動法により、奇妙な世界にジャンプできるようになった「私」の異世界探訪記。そこにいるのは、沈黙する人々、鳥のように大陸を渡る人々、夢を共有する人々、…

『ゲド戦記』映画化

初心者のための『ゲド戦記』講座(Exciteブックス) うーむ。映画化される『さいはての島へ』Amazonの書影使ったほうがよかったかな。でも読むなら1巻からだろうし。

町田康『告白』 Amazon

↑で書きたいことは書いちゃいましたが、町田康『告白』は掛け値なしの傑作なので読むべし。どうも世界とうまくいかんなーと感じている方は全員必読の書であります。「河内十人斬り」モチーフに小説書くとしたら、町田康以上の適任者はいませんね。 村のアウ…

山名沢湖『委員長お手をどうぞ』2巻 Amazon

史上初の委員長オンリーマンガ、堂々の完結!(Exciteブックス) 完結巻。しまった、来年1月に『レモネードBOOKS』、2月には『でりつま』の3ヶ月連続刊行だってこと書くの忘れた。ところで、山名さんのお知り合いの方はさまざまな形でモデルにされてる可…

マーガレット・ミラー(訳:汀一弘)『マーメイド』 Amazon

弁護士のトム・アラゴンは事務所で少女を迎えた。クリーオウと名乗るその少女は22歳という年齢にしては幼く見えた。彼女は知恵遅れだった。さしたる相談事項もなく、謎めいた台詞だけを残して彼女は去っていった。そして数日後、クリーオウが失踪したという…

川又千秋『幻詩狩り』 Amazon

1948年のパリ。アンドレ・ブルトンはフー・メイなる青年の生みだした詩に驚愕していた。「異界」と名付けられたその詩は、文字通り読者をどこか別の世界に誘う力を持っていたのだ。シュルレアリストたちを破滅に追い込んだ「幻詩」が東京に姿をあらわす。 『…

アンディ・ライリー『自殺うさぎの本』 Amazon

むやみに死んじゃううさぎたち(Exciteブックス) 忘年会などのプレゼント交換にということでしたら、ペーパーバックじゃなくてもっとかっちりした造本のほうがいいかな、と思ったんですが『The Book of Bunny Suicides』のハードカバー版は品切れなのか、ひ…

川又千秋『夢の言葉・言葉の夢』入手困難

1973年7月から翌74年12月までSFマガジンに連載された文章をまとめたもの。「僕にとって苦闘の記録」と前書きにあるように、序盤、中盤、終盤で、文章と内容がぜんぜん変わる。試行錯誤の過程が見て取れます。序盤は気負いすぎ、終盤は飛躍しまくりでカオスみ…

東野圭吾『容疑者Xの献身』Amazon

『容疑者Xの献身』は本格ミステリか?(Exciteブックス) 「容疑者Xの真相」については恣意的解釈による一種のギャグだと思うけれど、それ以外の二階堂氏の主張についてはおおむね妥当でしょう。ただし、「二番目は、その作品を書く作家に、本格魂があるかど…

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』 Amazon

終業式の日、小学4年のミチオが学校を休んだS君の家にプリントを届けに行くと、S君は首を吊っていた。驚いたミチオから報告を受けた担任の岩村先生と警察が現場に駆けつけると、なぜか死体は消えていた。事件から1週間が過ぎたある日、どこからかS君の…

吉村萬壱『バースト・ゾーン 爆裂地区』 Amazon

テロリン殲滅! 戦意高揚のメッセージが四六時中流れ、テロリンらしき人間は民衆のリンチで惨殺される。続発する大規模テロに国民は疲弊し、次第に狂気の度合いを高めていった。国家の威信をかけた「神充プロジェクト」のため、それぞれの思惑から大陸の「地…

遠藤徹『弁頭屋』 Amazon

生理的嫌悪感(おもに吐き気)に訴えるグロホラー書かせたら遠藤徹はやはり凄いんですが、奇想+鬼畜アイデア一本でごり押ししないのはなぜなんでしょうか? そうしたほうが絶対インパクト強烈になるのに。前作『姉飼』(Amazon)表題作の祠部矢だの海老巣だの…

ヘリオテロリズム vol.03 読切作品感想

さあダメ出しの時間だよ! 心に棚を作って、容赦なくいく。 作品詳細については→ここらへん参照のこと。→通信販売 「ピギィ・オルタナティヴ2047[次々と豚]」素晴城路安(id:hey11pop) 印象的なフレーズを作りだす才能は群を抜いている。前作の「メタオナニ…

桜色ハミングディスタンス

桜庭一樹×桜坂洋の期間限定ユニット「blackcherry bob」による合作小説。第4回文学フリマで頒布されました。奇数章を桜庭一樹が、偶数章を桜坂洋が担当してるものだとばかり思ってたんですが、往復書簡ページ参照したら、自分担当でないテキストもどんどん…

ヘリオテロリズム vol.03

編集・デザインをそらけいさん(id:helioterrorism)が担当した創作系小説同人誌。その第3号が11/20に開催される第4回文学フリマ(http://bungaku.webin.jp/)で頒布されます。 サークル名は「ヘリオテロリズム」(スペース:B-37)。読み切り短篇小説×10篇+…

牧野修『記憶の食卓』

記憶の食卓作者: 牧野修出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/09/26メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (21件) を見るなんか既読感あるな、と思ったら、e-NOVELSで買っていたのであった。 たしか、1回ざっと読んだらHDDが飛ん…

桜庭一樹『少女には向かない職業』

ISBN:4488017193 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』ISBN:4829162767たら、こちらは第二楽章。田舎暮らしで家庭環境の恵まれない少女ふたりが必死に生きようとして……なお話で、物語を構成する要素はほとんど共通です。 本格ミステリの力技トリックを強引に嵌…

マイケル・マーシャル・スミス『みんな行ってしまう』

ISBN:448872101X マイケル・マーシャル・スミスはわけわからん小説書く人だけど、きらいじゃないですよ。なんか好き。自分の中でジョナサン・キャロルと同じあたりにいる人で、キャロルがファンタジーで処理している部分をスミスは(いちおう)SFアイディ…

歌野晶午『女王様と私』

女王様と私作者: 歌野晶午出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/08/31メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 201回この商品を含むブログ (157件) を見るロリ・オタ・プーでパラサイト、(ほぼ)ヒッキーな真藤数馬。理想の妹・絵夢とふたりだけの閉じた世界…