川又千秋『幻詩狩り』 Amazon

1948年のパリ。アンドレ・ブルトンはフー・メイなる青年の生みだした詩に驚愕していた。「異界」と名付けられたその詩は、文字通り読者をどこか別の世界に誘う力を持っていたのだ。シュルレアリストたちを破滅に追い込んだ「幻詩」が東京に姿をあらわす。

『夢の言葉・言葉の夢』を実践してみせた言語SF。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?Amazon『火星のタイム・スリップ』Amazonあたりのディック作品を川又千秋なりに語り直した作品とも読めます。物語の序章を、全体からみれば異質なハードボイルドパートからいきなり始めてみせるという構成の妙もあるかも。