牧野修『記憶の食卓』

記憶の食卓

記憶の食卓

なんか既読感あるな、と思ったら、e-NOVELSで買っていたのであった。
たしか、1回ざっと読んだらHDDが飛んで、あとは忘却の彼方。現物がないので、断言はできませんが、パートまるまるひとつ書き下ろしてpdf(『週刊アスキー』連載)版とは別物になってるはず。
名簿屋の男が会社で見慣れない名簿を見たら自分の名前が載っていて、持ち帰って調べてるうちに最近ちまたを賑わす連続猟奇殺人の被害者がそこに名を連ねていることにも気づく。これは何の名簿なんだ、このつぎ狙われるのは俺? とはじまる。
牧野修らしく展開はどんどんねじれていきますが、それなりに予想通りでもある(どっちなんだ)。名簿の謎を探るハードボイルドパート、小学生の男女ふたりが「ボーシ男」なる怪人に遭遇するホラーパート、どちらも基本的に会話の掛け合いで進行するためリーダビリティがたいへん高い。読みやすいのですが、牧野修中毒者としてはもっとぐねぐねどろどろしててもよかったかも……。ここらへんは、まあ、好みです。
この装丁はわりと好き。