吉村萬壱『バースト・ゾーン 爆裂地区』 Amazon

テロリン殲滅! 戦意高揚のメッセージが四六時中流れ、テロリンらしき人間は民衆のリンチで惨殺される。続発する大規模テロに国民は疲弊し、次第に狂気の度合いを高めていった。国家の威信をかけた「神充プロジェクト」のため、それぞれの思惑から大陸の「地区」に向かった5人の男女が目にしたものは……?

終わりの見えない極限状況の下で生きる人間たちの醜悪さ、愚かしさをパワフルにそしてグロテスクに描き出した作品。吉村萬壱がこんなのを書けたとは驚き。思った以上に作家体力のある人でした。
いま、町田康の『告白』(Amazon)読んでるところなんですが、それまでの町田康作品と『告白』、『クチュクチュバーン』(Amazon)とこの『バーストゾーン』では同質の作家としての飛躍がみられるような気がしますね。