回廊 vol.06

mhk2005-12-15

http://magazine.kairou.com/
秋山真琴さん(id:sinden)が編集長を務めるオンライン文芸誌。今号の特集は「実験小説」。各作品タイトルはHTML版にリンクしてあります。


特集:実験小説

  • 遥彼方「TV shows......」
    • テレビに映る……を……が眺める。わかるかといえば、わからない。この人の作品はきちんと計算してるのか、それとも天然なのか、いまだに判断がつきません。面白いものを書けそうな気がするんですが、まだ未整理の段階なのかも。レンズ男はレンズに見えないんじゃないかなあとか、漫才は漫才として成立しているほうが効果的なんじゃないかなあ、とは感じました。
  • 恵久地健一「ミサイル・ライブ」
    • vol.04に掲載された「シーメール・クローニング」に引き続き、SF設定の物語。人工知能が周囲の状況をファンタジー世界の戦闘として認識するなど、語りには工夫が凝らされてますが、(図らずも同号に書評が掲載されている)上遠野浩平『あなたは虚人と星に舞う』のシリーズと比較すると実験性という点では弱く感じられてしまいます。また、これは「シーメール・クローニング」にも感じたことですが、異なる人格を有する人工知能を複数搭載しなければならない理由付けなど、SF設定の説得力には欠けています。この物語ならば人工知能視点だけでやったほうがよくないかなあ。ところで、兄妹なのか夫婦なのかわからんのは意図的なものなのでしょうか?
  • 星野慎吾「バッド・ログ」
    • オンライン・アマチュア文芸誌に掲載されていた小説を読み始めた俺は……。こういう作品はお約束として必要でしょう。と思ったら、予想してたのとはちょっとちがった。そして、意味がよくわかりませんでした。なぜそうなるのか……? フラッシュメモリを交換って、普通の交換日記より面倒な気も。
  • EGOISTIC IMAGINATION LAST CASE
    • 作者名などのクレジットを一切排することに意味がある。なるほど、と思うけど、書くことに困るなあ。HTML版はタイトルのあとに一行空けしておいたほうがいいと思います。

超短編