道尾秀介『向日葵の咲かない夏』 Amazon

mhk2005-12-08

終業式の日、小学4年のミチオが学校を休んだS君の家にプリントを届けに行くと、S君は首を吊っていた。驚いたミチオから報告を受けた担任の岩村先生と警察が現場に駆けつけると、なぜか死体は消えていた。事件から1週間が過ぎたある日、どこからかS君の声が聞こえた。それは子供部屋の窓枠にぶら下がって揺れていた。「びっくりしたでしょ? 僕、蜘蛛になったんだ」

最近の作品では麻耶雄嵩神様ゲームAmazonに近しい感触(実際、共通する要素も多い)。不気味な児童文学ミステリとも、歪んだ心の子どもの目を通じたホラー・サスペンスとも読めます。あまりにシュールな展開が連発されるんで、これ、どうなるんだろう? と思ってたら、それなりにロジカルな解決がなされてビックリ。ホラサス特別賞のデビュー作『背の眼』Amazonとくらべて格段の進歩を感じます。