東野圭吾『容疑者Xの献身』Amazon

mhk2005-12-11


「容疑者Xの真相」については恣意的解釈による一種のギャグだと思うけれど、それ以外の二階堂氏の主張についてはおおむね妥当でしょう。ただし、「二番目は、その作品を書く作家に、本格魂があるかどうかだ」みたいなことは言わなくてもいいと思うし、「ハードボイルドは本格より高尚だとか、本格は他のジャンルより立派だ、みたいなとんちんかんなことを言いだしかねない」とか書きつつも、本格>>広義のミステリと思っていることは明らかなあたりが要らぬ軋轢を生んでいるのでしょうね。二階堂氏による厳格な本格定義による『本格ミステリ・ベスト』は読んでみたい気がします。