谷川流『絶望系 閉じられた世界』

mhk2005-04-14

ISBN:4840230218
前半読んで「これは傑作だ!」と思ったら、後半わりとフツーになってしょんぼり。全裸ロリの「死神」と浴衣姿の巨乳金髪「天使」とゴスな「悪魔」少年、そして半透明の「幽霊」が、とある高校生男子の部屋にいきなりあらわれて、ディスコミュニケーションの極みともいえる会話をえんえん繰り広げ、「どこか壊れてる」もうひとりの高校生男子と中学生女子カップルはそんなことおかまいなしにエッチしまくるという、とことん不毛な物語。重心のずれた構図はとてもいいと思うんだけど、全体が見えると「ああ、そんなものだったか」と落胆してしまう。中途半端に理が通らないほうがぼくの好みです。どうせならば、誰も見たこともないような、空疎な光景を見せていただきたい。
「まあ、レーベルの要望だから萌えは入れるし、機能もさせとくけど、本当はどうでもいいんだよね」(憶測)谷川流のそういう部分が出ている作品でした。