牧野修『アシャワンの乙女たち』

牧野修『アシャワンの乙女たち』

ISBN:4257770465
万物を破滅に導く絶対悪、ドゥルジ。それに対抗する絶対の善、アシャ。一部の人類はアシャに忠誠を誓い、悪と闘うべく秘密結社を作った。全寮制のお嬢様学校、私立ボロヴィニア学園は正義の戦士を育成するための機関だったのだ!! がーん、通ってるのに知らなかった!! 天真爛漫な快活女子、カリスマ性を有した超絶美少女、硬派で武闘派女子、なにもかもちんまりした少女。中等部2年のルームメイト4人組が、学園の、そして世界の平和を脅かすドゥルジ軍団を相手にバトルする。行け、アシャワンの乙女たちよ!!
舞-HIME』観ながら書いたのかと一瞬思ったが、ちがった。
ソノラマ文庫での前作『乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル』の元ネタがぜんぜんわかんなかったくらいのニブちんですが、これは流石にわかりました。物語中盤付近のイラストで爆笑は必至です。
しかしまあ、単なる特撮パロディには終わらないのはこの人のこと。、苛めにあってる女生徒のモノローグにみられる狂気など、ことばの使い方がたいへんすばらしい。ぞくぞくします。
牧野修の描く女性キャラというと、青龍刀片手に男のちんちん撫で斬りにするようなアマゾネスタイプばっかりだったんですが、この物語ではちがって、よかったよかった、ほっと胸を撫で下ろす。『黒娘』ではなくて『呪禁官』路線の、ひじょうに正しい勧善懲悪戦闘美少女学園ものでした。高レベル安定。火災調査員の存在がちょっと面白いですね。