オンライン文芸マガジン『回廊』vol.04

http://under-ground.hp.infoseek.co.jp/
秋山真琴さんが編集長を務める創作系オンライン同人誌。
http://d.hatena.ne.jp/mhk/20050421#p2
http://d.hatena.ne.jp/mhk/20050424#p2
の続き。

超短編
いままで漠然と頭に思い描いていた「超短編」なるジャンル(たとえば本間祐編の『超短編アンソロジー』(ISBN:4480037470)収録作とか、『超短編マッチ箱』収録作とか)とは、まったく異なることをやっているのだな、という印象。

  • 秋山真琴「ULTIMATE TRUTH」
    • メタ探偵・夕賀恋史シリーズ。超短編でシリーズものという発想がなかったので衝撃を受けた。内容については、よくわからない。
  • 言村律広「THE BOOK」
    • タイポグラフィ的ななんかだろうか。なんか、と書いたのはマトリューシカっぽい構造をとる意味がよくわからないので。
  • 橘紫陽「I LOVED HER」
    • (たぶんボツになる)小説のプロット書きというか。
  • 霧生康平「GRAND FINALE」
    • 「感動して泣かせるだけでは片手落ちというものだ。笑わせ、怒らせ、楽しませなくは意味がない」 ??? エンタテインメントとしての葬儀を目指したのだろうか?
  • 秋山真琴「TRAIN X TRAIN」
    • 夕賀恋史シリーズ。まったく感心しない。
  • 恵久地健一「CHEAP TRICK
    • 夕賀恋史シリーズ。ほかの人が書いてもいいんだ! とさらに驚く。こちらはわりとよい。(両者の差がどこにあるかを考えるべき)
  • 六門イサイ「LIKE SCHRODINGER」
    • このオチならばもうちょっとスマートにやれる気がする。(展開にしても、タイトルにしても)
  • 六門イサイ「SUNSET SONG」
    • 「 諦めて気にしないことにしたが、しかし、そうするととても心地よい」なんかへんだなー。
  • 松本雅美「LONG COLOR」
    • 全体的になんかへんだ。

書評

  • 恵久地健一:太宰治人間失格
    • ダメ人間としての太宰治像にスポットを当てた評。しかし、いまいちヌルい。(「走れメロス」に関するエピソードについてはここらを読むとよいと思う)
  • 星野慎吾:藤沢周平「秘太刀馬の骨」
    • 「隠れた傑作と言われているのが、今回取り上げる『秘太刀馬の骨』です」と振っておきながら、藤沢作品全般の魅力について書きはじめるのは構成に難ありだと思う。なぜマストアイテムなのかを伝えるにもこの文章では弱い。