ドナルド・E・ウェストレイク(訳:木村二郎)『斧』

ドナルド・E・ウェストレイク(訳:木

ISBN:4167527707
リストラで失職したビジネスマンが再就職のライバルになりそうな同業者たちをつぎつぎ血祭りに挙げていく。
奥田英朗にトンプスンが憑依して書いたようなお話。さすがはウェストレイク、読者を強引に引き込んで読ませてしまう迫力があります。徹頭徹尾、職への渇望を原動力に殺人をこなしていく主人公のさまがすごい。物語終盤、「学習曲線」などという単語が飛び出したときにはのけぞりました。ここはかなりの爆笑ポイントだと思います。しょもない家族の問題が取り上げられるあたりもよかった。アメリカの製紙業界はそんなに人手不足なのか? 架空の求人広告に履歴書送ってきた人間ぶち殺して、競争率下げようなんて発想、ふつう思いつきませんよ!