「まだ眠りたい」

夢の中でも寝ているらしい。
いやいやながら目を開けると、そこは一見、体育館のようにも思える建物の中だった。
床も壁も天井も一面真っ白で、一瞬めまいを感じた。しばらくして目が慣れてからも遠近感がつかめないままで、現実味に欠ける。
つまらない夢なので寝てしまおうかと思い、まぶたを閉じた。
ごおんごおんと音がする。
何事かと思い、ふたたび目を開けると、視点が高い。心なしか視界も動いているような気がする。
自分と布団がベルトコンベアのようなものに乗せられていることに気づいたが、面倒なのでまた目を閉じてしまう。
規則正しくうなりを上げるモーター音が眠りを誘う。
ちちー、うぃん、がしゃん! というただ事ならない音が遠くから聞こえる。しだいに近づいてくる。
しかし、面倒くさい。
布団に潜り込んで膝を抱えたまま眠る。