著:はやみねかおる/挿画:村田四郎『ギヤマン壷の謎』

はやみねかおる/挿画:村田四郎『ギヤ

isbn:4061485148
じつは既刊制覇まで残り『亡霊は夜歩く 名探偵夢水清志郎事件ノート (講談社青い鳥文庫)』だけ、となった夢水清志郎事件ノートシリーズ。幕末の江戸に舞台を移したこのお話はシリーズの外伝とのこと。夢水清志郎ならぬ、夢水清志郎左右衛門、亜衣・真衣・美衣は……名前そのまんまで、いつもとほとんど変わりません。なぜかエディンパラに教授がいる導入部から長崎でのギヤマン壷密室消失事件、土佐の侍・梅太郎との道中で遭遇したお地蔵様の怪、そしていよいよ江戸を舞台にした大入道出没事件まで、小エピソードを連ねて、いよいよの後編に続き。
わざわざ外伝として時代変えたわりには考証大ざっぱどころではないアバウトさが味であります。

著:はやみねかおる/挿画:村田四郎『徳利長屋の怪』

徳利長屋の怪 名探偵夢水清志郎事件ノート外伝 大江戸編 下巻 (講談社青い鳥文庫)
isbn:4061485202
その後編。やたらにカッコいい居合いの超達人・中村巧之介をレギュラーメンバーに加えて、開国を目前に不穏なムード漂うお江戸は八百八町で教授がご飯を食べたり寝たりします。まあ、ところと時代変われど、いつもの。この人出すなら、いか様にでも盛り上げられそうな……だったり、なんだ、このへぼへぼ剣劇は!! と思ったり、れーちくん、きみは長崎くんだりから何しに来たのかね!? だったり、しょぼ可愛らしさが全開です。江戸城消失を扱った「徳利長屋の怪」のトンデモトリックは捻りが利いててよいですが、しかし、気づかんか。
人間というよりは名探偵なのが教授なんで、この夢水清志郎左右衛門と夢水清志郎は同一人物だと考えてもよさそう。たぶん、不死の存在なんでしょう。