岡野宏文・豊崎由美『百年の誤読』

mhk2004-11-06

isbn:483560962X
20世紀のベストセラー100冊をいま読んでみたらどないだ!? を岡野宏文豊崎由美コンビでやってる本。
1900年のベストセラー、徳冨蘆花不如帰 (岩波文庫)』における列車内の直球、ありがち展開を語るうえでマイク水野『シベリア超特急』を引き合いに出してみたり(『シベ超』って、ベタなの?)、与謝野晶子みだれ髪 (新潮文庫)』登場の衝撃を林あまりのそれに例えてみたりする。あとは田山花袋の嘘くさい赤裸々っぷりが柳美里っぽいとか。日本文学ほとんど読んでなくてお恥ずかしい限りなんですが、読んでみたくなったの幾つもありました。ディストピアな『となりのトトロ』と評されてる佐藤春夫田園の憂鬱 (新潮文庫)』とか。
2001年以降のベストセラーを扱った[付録]百年の後読に登場するのは案の定、Yoshi『Deep Love―アユの物語 完全版』や片山恭一世界の中心で、愛をさけぶ』だったりして、やはり人類は退化しております。