六塚光『タマラセ 探偵はドリルでつつかれる』

mhk2005-02-03

ISBN:4044707022
シリーズ第2弾。→前作感想 『ジョジョの奇妙な冒険杜王町編の設定で低脳ノワール、というか。再起不能じゃなくて、完全に殺してたり、頭と性質の悪い拷問が出てきたり、命がやたら安いあたりがポイント。スラップスティックなノリの裏でひどく陰惨なことをしています。戸梶圭太でもエルロイでもトンプスンでもなくて、やっぱりハップ&レナードシリーズとか『ブードゥー・キャデラック』とか、そっちだなあ。やたらごちゃごちゃするアクションシーンについてはもうちょっとすっきりさせてみてもいいかも、と思うけど、ヘンテコでおもろい。
しかし、

オッカムの剃刀ってのは」僕は説明した。「昔、オッカムという人の経営している理髪店で、客が喉を剃刀で切られて殺されたという事件があった。殺人者を示す証拠は一切挙がらなかったものの、死体がオッカム氏の店で見つかったということから、オッカム氏が犯人として逮捕された。取り調べた結果、オッカム氏は犯行を自白した。そこから転じて『仮説を立てる際は一番シンプルなものを採るべきである』ということさ」

みたいなギャグに力が入っていることだ。