田中啓文『笑酔亭梅寿謎解噺』

mhk2005-01-22

ISBN:4087747239
田中啓文の新刊。「しょうすいていばいじゅなぞときばなし」と読む。読めん!
えーと、すごくおもろい。たいへんおもろい。この人の作品の中ではいちばん一般性の高い面白さかもしれません。駄洒落とかそういう問題じゃない唯一の作品かも。
モヒカン頭な不良少年・竜二が素行の悪すぎる老噺家・笑酔亭梅寿(落語は名人)に弟子入りして理不尽なあつかいを受けながら天賦の才能を開花させていくという、上方落語ビルディングス・ロマンのミステリ和え。なにゆえ「笑酔亭梅寿謎解噺」かといえば、真の探偵役である竜二がぺーぺーの内弟子なんで師匠の梅寿が推理したことにしてるわけですね。一種の名探偵コナン形式。梅寿と竜二の関係は『UMAハンター馬子』の馬子とイルカのそれに近いんですが、こちらは竜二の成長にスポットが当たっております。
上方落語への敬意と愛情が感じられるし、そもそもいい話ばっかり。本当に好きなんでしょうね。万人におすすめできます。
ところで、右上の女の子、誰? チカコ?