感想サイトにありがちな光景

三部作最終章。

  • 大手サイトの掲示板常連
  • 周囲の人の勧めもあって、自分ページを立ち上げることに
  • (数年後、あれは体よく追い出されたのだと気づく)
  • まだ気づかない
  • 期待に胸が高鳴る
  • これでオラも一国一城の主だ!
  • そんなもんではありません
  • はてなは安直な気がする
  • レンタルスペース借りてドメイン取ってMovable Typeを導入
  • 無駄に努力した
  • なんとか自分ページを立ち上げる
  • が、人が来ない
  • 人が来ない
  • 人が来ない
  • ぜんぜん来ない
  • 山奥にこもって修行してる気分になる
  • 1日6hotだけれどアクセス解析入れましたスレ@WEB制作板読んで荒んだ心をなごませる
  • ぼくはひとりじゃないんだ!
  • キーワードリンクで人が来るぶん、はてなで書いたほうがよかったんじゃないかと今更ながら思う
  • でも、半年分振り込んじゃったし……
  • なんだか遭難した気分になってくる
  • Googleにひっかかったのか、ネット界隈で流行の新刊感想が感想リンク集で取り上げられた!
  • まさに夢見心地
  • ついにコメントがついた!
  • コメントスパムだった!
  • カウンタが日に50程度回るようになる
  • はてなアンテナの登録数も増えてきた
  • 精力的に更新を続ける
  • ネット界隈で人気の新刊感想をどこよりも早くアップしよう作戦に出る
  • リピーターが増えてきた気がする
  • 更新を一日サボると取り戻すのに三日かかるからなあ……などと考える
  • それはピアニストだ
  • 1,000枚超のぶ厚い新刊が続けざまに出るとブルーになる
  • 効率よく読むために本のローテーションを組み始める
  • 一日一冊ペースを守るため、薄い本かライトノベルを挟んでペース配分を整えはじめる
  • 新刊を消化するのに手いっぱいで読みたい本が読めなくなってくる
  • よく考えると感想書きの時間分、確実に本は読めなくなっているのだと気づく
  • いまさらやめられない
  • ほとんど強迫観念で更新する
  • 夢の中でもページを更新する
  • 夜中に飛び起きてアクセス解析をチェックする
  • だんだん自分が何をしているのかわからなくなってくる
  • はじめてのオフ会
  • 有名感想サイトの人も参加してくれた
  • 有頂天
  • 思った以上にハジけてしまう
  • 参加者たちのオフ会感想がネットにアップされ、変なキャラが定着してしまう
  • 途方に暮れる
  • 強迫観念はさらにいや増し、私生活を圧迫し始める
  • 休みの日は24時間連続更新などする
  • ネットラジオにも手を出す
  • 中堅サイトくらいにはなったかもしれない
  • アソシエイト・システムを導入しようとか考える
  • うまくいけば、本代ぐらいまかなえるんじゃないのか?
  • bk1リンクを張る
  • 1ヵ月後、メールが来る
  • ● 売上冊数合計: 0
  • Amazonリンクを張る
  • レポートセンターにアクセスする
  • 発送済み商品合計: 0
  • クリックスルーを眺めてこころ慰める
  • スルーすんな!
  • 売れた!
  • ページでとりあげてない商品だった
  • エロDVDだった
  • 本売るより効率がいいな……
  • サイトの方向性を見失いかける
  • 自分を取り戻し、更新を続ける
  • ほとんどキ○ガイのように続ける
  • 続ける
  • 続ける
  • 続ける
  • ラソン走者の気分になってくる
  • 病気で寝込みながらも更新する
  • 出先からも更新する
  • 海外からも更新する
  • いつもどおりの内容を
  • 4月1日にページ閉鎖ネタをやる
  • ありがちだなあ、とか言われる
  • ははは、と笑う
  • でも、本当はもうやめたいんだ
  • 続ける
  • コメント欄で怒ってる人がいる
  • ある作家の熱狂的ファンらしい
  • その感想は3年前のものだ
  • 忘れたよ、そんなの
  • リンク切れの指摘メールが来る
  • その記事も3年前に書いたものだ
  • ふう、疲れた
  • 作家の人からメールが来た
  • 抗議メールだった
  • 続ける
  • ミステリ板某スレであることないこと書かれる
  • 続ける
  • だんだん耐性がついてくる
  • 単独スレ立たないかな
  • 立つほど需要はなし
  • 続ける
  • 自分の中から何かが引いていく音が聞こえる
  • なんか空洞ができた気がする
  • 面白いものはすべて打ち止めになった気がする
  • 続ける
  • mixiに誘われる
  • あれ? もう不特定多数に対して何か言わなくてもいいんじゃん、と気づいてしまう
  • 気づいてしまった
  • でもまあ、続ける
  • どこからか、本の解説仕事が舞い込んでくる
  • 大ファンの作家だ
  • 頑張った
  • 失敗だ
  • その作家に顔向けできなくなる
  • あーあ
  • もう寝ようかな
  • 続ける